旧NISAから新NISAへの乗り換えの基本と注意点
こんにちは、TaxOnTheHillです。
このブログでは、税理士 × FP1級の知識を活かし、税金や資産運用など身近なお金に関する情報をお届けしています。
今回は新旧NISA口座の取扱いについてです。
目次
新NISA制度のスタートと旧NISA資産の扱い
2024年から新NISA制度がスタートし、年間投資枠の拡大や制度の恒久化など、投資家にとって魅力的な変更が行われました。
しかし一方で、これまで旧NISA(つみたてNISA・一般NISA)で運用していた資産について、
- どう扱えばいいのか?
- そのまま新NISAに移せるのか?
と疑問を持つ方も多いでしょう。
結論から言うと――そのまま新NISA口座へは移せません。
私自身、旧NISA口座で株式を保有していましたが、特に対応しなかったため、2020年に取得した株式は2025年に特定口座へ移管されていました。これは、新NISAではロールオーバー制度が廃止されたためです。
この記事では、旧NISAから新NISAへの資産移し替え(乗り換え)の基本と注意点を解説します。
旧NISAの株をどうする?(ロールオーバー不可)
2024年以降、旧NISAで保有していた株やETFは、非課税期間(一般NISAは最長5年、つみたてNISAは20年)が終了すると、自動的に課税口座(特定口座または一般口座)へ移されます。
これがロールオーバー不可ということです。旧制度では翌年のNISA枠に自動移行できましたが、新NISAにはその仕組みがありません。
旧NISA非課税期間終了後の選択肢
- 課税口座へ移管する
- 旧NISA口座内で売却する
同じ株を非課税で新NISAに移したい場合は、自分で売却 → 新NISA枠で再購入の手続きを行う必要があります。
💡 2025年現在で対応が必要なのは、2021年に旧NISAで取得した商品です。
旧NISAと新NISAの比較
簡単に比較するとこんな感じです。
| 項目 | 旧NISA | 新NISA |
|---|---|---|
| 非課税保有期間 | つみたてNISA:20年 一般NISA:5年 |
無期限(売却まで非課税) |
| 期限終了後の対応 | 課税口座へ移管 or ロールオーバー(終了済) | そもそも期限なし |
| 売却タイミング | 期限前に判断が必要 | 自由 |
新NISAは自由!!
売却して買い直す際の注意点
旧NISAの株を売却し、その資金で新NISA枠を使って新たに株を買う方法は多くの人が取ります。この方法では新NISAの非課税メリットを得られますが、次の注意点があります。
- 売却によって利益や損失が確定してしまう
- 再購入までに価格や為替が変動する可能性がある
- 売買タイミングや為替差による想定外のコストが発生
特に含み損のある銘柄を売るのは心理的に難しいものです。場合によっては、特定口座に移して持ち続ける方が良いこともあります。
同じ株を持ち続けるには?(クロス取引的な方法)
同じ銘柄を新NISAでも持ち続けたい場合、よく使われるのが「クロス取引」に近い売買です。
クロス取引とは
- 同一銘柄を
- 同数量・同価格で
- 同時に売りと買いを出して
- 実質的にポジションを移す方法
ただし、ネット証券では完全なクロス取引は難しく、多くの場合は「市場で売却 → すぐに買い直す」という形になります。ポイントは売買の時間をできるだけ空けないことです。
なお、相場操作と見なされるような仮装売買はNGですので注意しましょう。
米国株の場合の注意
米国株では、厳密な意味でのクロス取引はできません。
- 日本の証券会社では口座間の直接クロス注文が不可
- 為替レートや注文タイミングがズレるため、完全一致した価格・数量での売買が困難
結果として、
- 為替差による損失(例:2円の差で5,000円以上)
- 売買手数料の発生
証券会社の買付レートと売却レートは基本的に異なるため、このコストは必ず発生します。
まとめ
ということで、旧NISA口座、次の点に注意して整理を進めましょう。
- 旧NISAの株はそのまま新NISAに移せない(ロールオーバー不可)
- 同じ銘柄を新NISAで持ちたいなら売却 → 再購入が必要
- 米国株では完全なクロス取引はできず、為替差・手数料が発生
- 新NISA活用には税制・為替・タイミングすべての戦略が必要
とはいえ、私は長期投資が基本なので、上昇を見込む銘柄は多少のコストを気にせず売買しています。
ということでこのブログが皆さんの判断材料になれば幸いです!


