市役所時代のお仕事〜こんなことした、あんなことした〜①区役所の窓口業務(高齢者福祉)

どうもこんにちは、TaxOnTheHillです。
フリーターに終止符を打ち、市役所職員となったのが25歳。
時はいわゆる就職氷河期。民間企業は新卒以外での就職は極端に難しい時代。
ただ試験さえ受かればなんとかなる公務員。これなら自分も普通の就職ができるかも。
そんな軽い気持ちで就職したこともあり、そもそも市役所にどんな仕事があるのか知らないまま入庁しました。
そりゃ面接に備えてそれなりに企業(市役所)研究はしましたよ。。
でも、まさかこんな仕事をするとは、という経験をいくつかしました。公務員試験の勉強していた時には想像し得なかった仕事です。
人生において重要なイベントの一つである就職(あるいは転職)です。入ってからのギャップはなるべくない方が自分と会社(役所)双方にとって幸せでしょう。あらかじめどんな仕事があるのか分かれば心強くもあります。
今回はそんな不幸(?)な公務員志望者を少しでも減らせればという願いを込めてブログを書きました。
ということで私の市役所時代のお仕事、こんなことした、あんなことした、どうぞご覧ください。
目次
介護保険の窓口、係長が顔に唾を吐きかけられた
いきなりヘビーなタイトルですが・・・。
最初も最初、社会人一発目のお仕事は区役所窓口で介護保険料の徴収をしていました。
徴収とか簡単に言いますけど、市民の皆様からお金をいただく仕事、基本的には苦情の受付窓口のようなもんです。
介護保険が始まったのは平成12年。
私が就職したのは平成17年。
「介護保険」はまだまだマイナーな社会保険でした。
健康保険は病院にかかるから分かるけど、介護保険なんて一生利用しないで死ぬ人がたくさんいますからね。
しかも年金からの源泉徴収(特別徴収)で、半ば強制的に徴収するということも市民の方にはなかなか理解できないところ。
「一生介護保険のお世話にならずに死ぬなんて、幸せじゃないですか」
なんて答えてましたけど、25歳の若造に言われましてもねぇ。
窓口もあるので、直に市民の皆様(主に高齢者の方)と接するわけです。怒鳴られたり、マシンガントークで2時間以上拘束されたり。
市民の方の生の声を聞くことができたということは、それはそれでいい経験になりましたけど・・・。
実際は過酷な現状の方も目の当たりにしました。
母親が認知症になって介護を受けようと窓口に来た息子さん。ずっと介護保険料を滞納していたことを知って涙を流していました。介護保険料を滞納していると給付が制限されてしまう場合があります(推定60歳を過ぎた男の本気涙はなかなかきつかった)。
お弁当屋さんが潰れたのでなんとか保険料を安くしてほしいという高齢のご老人。でも制度上、保険料を減免できるのは生活保護レベルの収入の方のみ(困っている人の役に立てない役所の悲しさ)。
中でも印象に残っている出来事は、ニコニコした奥さんを連れて窓口に来た旦那さん。ですが、奥さんは明らかに自分の状況を理解していない様子。精神疾患がありそうなことは素人の私が見ても明らかでした。こんなもの送りつけやがって、と怒り狂った旦那さんは介護保険料の納付書を持って窓口で怒鳴っていました。コイツは皿を割ってもニコニコしてやがる、と奥さんの頭をバシバシ叩いています。係長が対応していましたが、カウンターを乗り越えてきそうな勢いだったので、近くへ行って座るよう促そうとしたその時です。
旦那さんが係長の顔に唾を吐きかけました(それでもひるまなかった女性係長・・・)。
他部署の応援もあり、なんとか落ち着かせてその場はやり過ごせましたが(警察を呼ぶべきだったのでしょうか)、私は微動だにできませんでした。
旦那さんも奥さんの状況を理解できず、怒りをどこにぶつけたら良いのかわからないといった様子でしたが、なんとも心が晴れない出来事でした(旦那さんの支援も必要だった?)。
高齢福祉課、家がないと窓口に来たおじいさんの話
同じ区役所で、次は「高齢福祉課」というところに配属されました。
なに、高齢福祉課って。漠然とした名前だなー。
まあ言ってみれば高齢者の万相談ですね。相談に来る人は当然、何かしらの問題を抱えている方々です。
市役所の異動は基本的に4月1日。その異動初日のことだったと記憶しています。
窓口に来たおじいさん、唐突に
「家がない」と・・・。
よく聞けば、息子との折り合いが悪くなり、家を出たとのこと。
家がないって・・・。え、今日はどうするの?明日は?
正直そんな相談されても、解決のためのなんのノウハウ持ち合わせていません(公的な制度でどんな支援が考えられるでしょう)。
先輩の助言で何日か超法規的(?)な施設のお世話になり、最後は養護老人ホームに措置となりました。私としてはこのおじいさんが施設で問題を起こさないか、お金は大丈夫か、病気にならないか(まさか死なないよなとか)、不安な日々を過ごしました。
が、措置後の面談で言われた言葉は今でも忘れません。
「なんでこんな施設に入れやがったんだ」
でした。初日から施設入所まで自分だけでなく、周り職員も奔走してようやくこぎつけた施設入所だったんですが。
息子さんに連絡し、○○養護老人ホームに入りましたと伝えた時は、「はあ、そうですか」と生返事。引き取りをお願いしても土台無理な話でした。
その方はそこそこの年齢だったと記憶していますが、役所の税金でお世話になりながら感謝の一言もない無粋な態度に辟易していたところ、ちょうど同じ時に私の母方のおじいちゃんが亡くなり、複雑な気持ちになりました。
役所の仕事ってなんでしょう。
高齢福祉課、ゴミ屋敷を掃除した話
同じく「高齢福祉課」での仕事。
いわゆる「ゴミ屋敷」の掃除をしました。
「ゴミ屋敷」という言葉は少々問題があるようです。つまり、ゴミというのはこちらが勝手にゴミと決めつけているだけで、本人にとってはゴミではなく、財産だという考え方があるからです。ここではあえて「ゴミ屋敷」と言わせていただきますが。。
要介護状態になって介護サービスが必要となったからといって誰でもサービスを受けられるわけではありません。サービスが必要でも、ヘルパーさんやデイサービスのお迎えに行けるような態勢がなければいけません。ゴミ屋敷では介護保険のサービスとて入ることができないのです。
ゴミ屋敷になる理由はさまざまです。
一人暮らし高齢者、認知症高齢者、精神疾患のある高齢者(高齢者じゃないことも当然あります)。
認知症になると自分のことを自分でやるということがなかなか難しくなるようです。そして、それが理由でゴミ屋敷になってしまうことがあるようです。
やがて、近所の住民から苦情が来ます。
ではどうするか。
「高齢福祉課」の出番です。
お金があれば業者にお願いするんですけどね。
大学を卒業し、まさかゴミ屋敷の掃除をするとは思ってもいませんでした。
真っ黒な物体が入ったビニール袋は何かと聞くとスルメを干している言うおばあさん。
新聞紙が捨てられず床が50cmも高くなりその上で暮らしているおじいさん。
この仕事、私は本当に嫌でした。ゴミ屋敷、と言ってもゴミだけでなく虫や汚物も出てきます。。。
仕事、と割り切るにしても厳しいものがありました。
今ではネタにできる話ですが、現実を突きつけられるたびなぜこのようなことが起きるのかと、自然な気持ちとして不思議に思いました。
私みたいな高齢者福祉の知識のない者が、こうした仕事をすることに戸惑うこともありました。もっと言えば、こんなこと専門家がやらないでなんで私がやらなければならないんだ、というのが正直な気持ちでした。
ただ、やるしかない、という気持ちだけでした。
市役所職員になるとゴミ屋敷の掃除をする可能性だってあるってことですね。
この経験をどう捉えるか。
さて、私が言いたいのは市役所の窓口仕事はこんなにも過酷で、ストレスフルだ、ということではありません。
実際、業務量自体は少なく、残業もほとんどありませんでした。
ただ、市民の方と接する窓口は、市民サービスの最前線、いろいろな境遇の方がいるということを身をもって経験することになります。いろいろな人に出会い、様々な業務を経験することになると思います。
ただ、こうした経験は私にとって今の自分の仕事に活きているな、と感じているわけです。
自分の経験をただ悲惨なものとして扱うか、将来に活きるものとして捉えるか。
生かす(活かす)も殺すも自分次第です。実際こうしてネタにできています。
人生、ネタになると思えばなんとかやっていける。
まとめ(私が学んだこと)
では何を学んだのか。
私が区役所窓口での経験で学んだことは、
人の価値観は多様である
ということ。
あるゴミ屋敷を掃除する時家主から言われた言葉、
「あんた方にはゴミかもしれないけど、俺にとっては思い出なんだよ」
床や壁一面に敷き積まれた競馬新聞が、亡くなった奥さんとの思い出だと言うのです。新聞なんてどんどん捨ててしまえと、さっさと掃除を終わらせたい自分達の都合を押し付けていたことに気づき、ハッとさせられました。
でもやっぱりゴミなので説得して捨てましたけど。
自分の価値観を押し付けない、これは今でも私の行動原理の一部となっています。
就職の初っ端からヘビーな経験をしてきたと思います。
市役所の仕事って皆さんがよく知る住民票や戸籍を発行するお仕事だけではないんです。皆さんが想像するものとは違う市役所のお仕事、その最たるものを経験したと思っています。
市役所に入って何がしたいですか?
観光課で働きたい?芸術、音楽の発展を支えたい?
市役所の業務は幅広いです。
どんなところに配属されても何かしら自分の血肉なるものを掴んで欲しい、今となってはそう思うわけです。
なんかやたらエラそうになってしまった・・・。
ということでこのブログが皆様のお役に立てたなら幸いです!
市役所時代のお仕事、こんなことした、あんなことした、書きたいことが多すぎて1回では収まりそうにありません・・・。次回第二弾としてお届けしたいと思います。



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